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[コメント] 歴史は夜作られる(1937/米)

至極退屈なハーレクインロマンスで、当時よくあるスキャンダル紙の挿入による筋運びだが本編自体が三流紙並。調子に乗ったレストラン乗っ取りの件などひどいものだ。伊武雅人生き写しのボワイエに対する海運王はジョン・クリーズそっくり。
寒山拾得

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







アイリーンジーン・アーサーはパリへ逃走して海運王ベイル氏コリン・クライヴと離婚訴訟。許さんと海運王もパリへ。英国の法律では六カ月間違いを犯さなければ離婚成立という条件喜劇。海運王は浮気現場つくろうと運転手のマイケルをホテルに差し向け襲わせるが、隣室にいたポールシャルル・ボワイエが泥棒の真似して救出して、給仕長として勤めるレストランでデート。アーサーはカンザス女らしく裸足で踊って一目ぼれのふたりはすっかり出来上がる。

海運王はノビていた運転手にふたりは抱き合っていたと証言させて(ここがよく判らない)暖炉の火鉢掴む。アーサーがホテルに朝帰りすると海運王と警察が待っていて、運転手が殺されたと聞かされる。アーサーは泥棒から逃れたと嘘云って、ボワイエに返された盗品の宝石を警察に報告するが、首にかかったネックレスを見咎めた海運王は浮気を知って妻を連れ戻して乗船渡米。

運転手殺害でどこかの常習犯が捕まりパリで裁判、アーサーは召喚されるが行く気はない。すっかり結婚する気のボワイエはコックレオ・キャリロと渡米してオーナーに難癖つけてレストランを乗っ取り、この件は最高に下らないもので、伊武雅人の気取りばかりが鼻につくものだ。海運王が評判聞きつけて来て同伴のアーサーと再会。愉しいデートのなか、アーサーが裁判の件を漏らすとボワイエはアーサー同伴して海運王の船でパリへ向かう。

海運王はこの船どうにかしようと船長に運行時間の記録更新の爆走を命令、北緯42度と云っているから襟裳岬ぐらい。プラモの船は氷山に激突。海運王がこれ聞いて運転手殺人を書き残して自殺してしまうのは意味不明で、映画の残り時間が少ないためとしか思われず。結局、この海運王は終始錯乱しているだけで何のコクもない。主役ふたりが甲板で最後の愛を語るなか、取って付けたような第二のタイタニック号の船員信頼物語で船は沈まないとみんな悦ぶどうでもいいようなラストも観られる。いったい、何の歴史が作られたのだろう。

(評価:★2)

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