来ました、来ました。待望のコーエン兄弟新作！行くぞトリャー！って感じで公開最終日の最終上映に滑り込み。ええ、本当に待望だったんですよ…。

始まりから中間にかけて、アレ？これって本当にコーエン映画だっけ？と思えるほど味気なく思えたのが本音。私があまりに期待しすぎていたからなのかしら？中盤まででツボにハマったのは法廷シーンでのオカマ男爵が出てきたところのみ。まるで木霊のように名前が呼び続けられ、私の緊張感も最高潮に。この不利な展開に光を差すであろうの証人て一体どんな・・・・てうおおおおいっ！って家でなら多分声出してツッコんでただろうなと思えるようなインチキくささ100％のオカマ男爵が登場。ここだけは面白かったけどあとはイマイチ。

それが後半から佳境にかけて、うおりゃー！て感じのコーエン節。ジョージ・クルーニーが愛がどうのと言い出した時にはそうそう、そうやってまたハリウッド系大作を風刺しちゃってこの嫌味兄弟め。ででででもまさか本気じゃないよね？この展開・・・てちょっと不安になったのはここで白状しますけど、そこからはもう本当お前ら全員アホ！アホ決定！というアホアホ人間オンパレードの（私にとっては）非常に微笑ましい展開が。笑いをこらえすぎて肩が震えてそれがエンドロールまで止まらなかったのは初めてです本当恥ずかしい。

その、愛がどうのとグダグダ言ってる時のジョージ・クルーニーの表情が死んでるのがまたイイ！ばっちりキメて白い歯キラーンの彼がシャツはだらしなく出ちゃってるはボタンは外れちゃってるは表情死んでるはで「このシーンまさか本気じゃないよね？」という私の不安は見事払拭された訳です。

男と女が騙し騙され、婚前契約を書いては破り、お前ら本当にどこからどこまでが本気なんだよ！いや…きっと全部。全て。本気なんだ。やっぱりアホだ。アホで可愛すぎる。やっぱり人間てサイコー！ラストも普通に考えればハッピーエンドな訳ですが、これがもう私にはハッピーエンドというか滑稽の極みにしか思えなくてある意味ハッピーエンドだけど一筋縄ではいかないハッピーなんだねこれが。お前らこの先もおんなじ事続けていくんだろ？ええ、はいはい。続けていって下さい。それこそが真のハッピーエンドだよね！で、いつかきっとラストのアホみたいな離婚番組にビデオで出ちゃったりなんかしちゃってみたりしてネ！（半ば投げ遣り、でも爆笑）・・・みたいな。

『ミラーズ・クロッシング』や『ブラッドシンプル』みたいなコーエンテイストなサスペンスも大好きなんだけど、やっぱり私はどちらかと言えば『ビッグ・リボウスキ』や『赤ちゃん泥棒』みたいなコーエンコメディーの方が好みなんだろうなと自己分析。でも『レディ・キラーズ』も今から楽しみでならない訳ですが。