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[コメント] 風が踊る(1981/台湾)

いしだあゆみ風の歌謡曲から始まる歌謡映画で、牛の糞に爆竹しかけるギャグを延々続ける序盤からして不思議な味、本邦70年代の青春映画と殆ど同じノリがある。
寒山拾得

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
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この島で洗剤のCMのスチール担当の女と盲目の男が出会い、都会で再会するという展開。男を連れて歩く人たちが、彼の背中を押したり手を引いたりするのがいかにも取材不足でいけない(盲人は腕などを握らせて先導するものだ)。

そして角膜移植の手術(スリランカから届いたと云われている)が何か簡単に成功して彼は視力を回復するのだが、そこまではシリアスな存在だったのに、そこから彼がトンボ眼鏡をかけるのが軽薄に見えていけない。台湾ではトンボ眼鏡は軽薄の表現ではないのだろうか。本邦ではフィンガー5がまず連想されるのだった。視力が回復して初めて見られる彼女という件はちょっと面白い。

後半は気障な元カレが疎ましくなる展開で、自分では決められない女、男ふたりは対決、空港での玉虫色の別れ、というアイドル映画によくある話。戒厳令下の話だが特にこれを意識させる描写はなかった。主人公が赴任した学校の壁に標語を書かず絵を画かせて校長が怒っているのは、観る人が観ればそんな意味なのかも知れないが、どんな標語が書かされようとしていたかは語られなかった。

序盤のこの島での撮影、水平線をつねに画面の真ん中に引く構図が続けられ、これがとても印象的で本作の収穫だった。キリスト教施設で小説の録音ボランティアをする件がある。タイトルは唄われる歌謡曲の歌詞から。♪風が吹き雲が流れる、さあ踊ろう。

(評価:★3)

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