[コメント] インディアン・ランナー(1991/米)
同じ「ランナー」でも、兄は追う側を選び、弟は追われる側についた。[Video]
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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スポーツをしていた学生時代、中距離が得意だった。そして、「トップからつかず離れずの位置につけながら余力を残しておき、ラストスパートで抜き去る」のがいつものパターンだった。
前を走る人間がいれば、差し当たっての目標にできる。そして、逆に自分が一番前を走るようになると、他のランナーが見えない不安から「抜かれるのではないか」というプレッシャーがかかる。ランナーにとっては、「追われる」よりも「追う」ほうが、気分的にはずっと楽なのだ。
この映画では、追う立場の兄・ジョーに対し、弟・フランキーは追われ続ける立場になっている(もちろん、文字通りの意味だけではない)。フランキーにしてみれば、好きこのんでそうしているのではないのだろうが、そうせざるを得ない運命を受け入れ、逆に追われるのをだんだん楽しみはじめているような節さえ見受けられる。
繰り返すが、追われるということは決して楽ではない。この話のように、走っていく先が真っ暗な闇であるなら、なおさらのことだろう。
それでも、彼は追われ続けることを選んだ。そして見事に逃げ去った。フランキー、お前の勝ちだ。
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