[コメント] キル・ビル Vol.2(2004/米)
映画を見終った人むけのレビューです。
これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
まず、二本に分けたのは是か非か?。分けたのは、「シザーハンズ」で有名な、ミラマックスの社長であり、QTではない。もし、一本であったなら、社長の「ハサミ」で、バシバシと切り取られ、編集されていたことだろう。できれば、一本の映画として見るべきものなのだろう。QT自身、そのつもりで撮ってたわけだし。でも二本に分けることで、より強く「QTらしさ」が発揮され、「ヤッチマイナー!・激闘日本編」と「キル・イズ・ラブ編」の二つの違う味で楽しむことが出来た。分けたことで、「1」の最後にオーレン・イシイに美しい見せ場ができ、その後の「怨み節」が効果的であったし、さらに実際「2」では、ブライドは刀を使って、誰一人殺していない(R指定じゃないのね、こっちは)。
で、ラストに「子連れ狼」。あぁ、なるほど。コレがしたかったんだね。ちなみに「ロード・トゥ・パーディション」が丸々「子連れ狼」だったということは、雑誌に載った「2」の解説で書いてあったのを見るまで、気が付かなかった。(しかし「子連れ狼」を楽しみにしている四歳児って・・・)。
ただ、すっきりしないところあり。ビルもバドも、ブライドを殺すチャンスはいくらでもあったのに、しなかったのはなぜか。彼女を愛していたビルはともかく、バドはわざわざ「岩塩」を撃ち込まなくても、「実弾」じゃなかった理由がわからない。さらに「生き埋め」。彼女に復活のチャンスを与えたくて仕方がないのか?。「岩塩」「生き埋め(ご丁寧に懐中電灯付き)」そして「半蔵の刀」。ある意味、バドはブライドを3度助けたことになる。バドの役どころって一体なんだったのか。「刀の達人」ということになっているが、その技を披露する機会は一度もなかった。ってより、彼は格好からして「ガンマン」でしょ。二丁拳銃を手にクールに暴れるべきでしょ。だから、ブライドの奇襲にショットガンで応戦したのは、間違っていない。なにか「ビルの弟」ということ以上に、彼の存在意義を作って欲しかった。たとえば、「1」の冒頭で死んだ黒人ヴァニタ・グリーンの娘の父親は彼だったとか。そして、ブライドがトレーラーを奇襲したとき、またしても、目の前に黒人少女がいるとかは、どうでしょう。
実は、この黒人少女を使ったドンデンがあるのでは、と思っていた。バドが父親でないにしても。・・・・・・(翌朝)、モーテルの一室で過ごすブライドとBB。そのときドアをノックする音が。ブライドがドアを開けると、目の前にはバドの刀を握り締めた黒人少女が。突進してくる少女を、胸に抱くように受け止めるブライド。そしてもうひとつの「復讐」が終わる・・・・・・。とか、どうでしょう。
エル・ドライバーはさすがの貫禄でした。黒く、雄雄しく、美しく。眼帯もちょっとセクシー。彼女の目の理由は、「なるほど」でした。さらに「1」でオーレン・イシイの手下の男の目をブライドがえぐるシーンが伏線だったとは、「2」のエンディング見るまで気づきませんでした。
ビルに関しては、モノクロの回想シーンはよかったけど、それ以外は好きじゃないです。
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