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[コメント] スクール・オブ・ロック(2003/米=独)

ロック・クラシックスへの愚直な愛。古い!困った事に楽しい。ただ、音楽バカの堕落しきった部分は容赦なくリアルに描いている点は複雑。
Ryu-Zen

ある一時をワーッと楽しく過ごせればそれでいい。音楽の役割はその程度のもので充分なんだと実際思うようになった。NO MUSIC NO LIFEってのが危ない。音楽フェスに給料をつぎ込んでひたすら爆音の波に溺れている友人がいます。山の中で、街中で、オールナイトで、東へ西へ。かくいう自分もライヴやらフェスが好きでして。自分で楽器買ったりDJの真似事をしたくてまた機材買って…。しかし貧乏人がハマると、もうお金がバンバンかかってしょうがない。行き過ぎると確実に生活に支障きたす趣味だと思う。なんで楽器はこんなに高いの?ましてやバンドで食って生活しようなんて、悪夢のような冗談だ。待っているのは最低な生活だけ。

アパートにいるときの主人公の生活が、あまりにも堕落しすぎ・不潔すぎる。なんか音楽が好きすぎて病んでる・終わってる感をめちゃくちゃ感じた。「こんな風になりたいのか!?」って台詞、リアルだ。監督の演出が冷静なんですね。話があからさまに嘘臭さ全開のマンガなのに、部分的なところが妙に現実的な描写で割と容赦ない。音楽バカの真の姿見たり。音楽好きには笑えないですよ、これは。

この映画はひたすらバカでコミカルな虚構話をロックでダイナミックに盛り立てた無意味に楽しい作品です。そして人間、道楽(主に自己の快楽を追求する類のもの)にふければ身の破滅が待ってるだけですよーと言う真理をさりげなく盛り込む冷徹な視点を持ち合わせた作品でもある。

正直、リンクレイター監督は正しい。当たり前すぎる。

眼・耳・舌などで快楽を追求するのは破滅への扉なのだ。

(評価:★4)

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