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[コメント] 勇気ある追跡(1969/米)

前半は正直のんびりしてるしジョン・ウェインは粗野でアル中だけどいつもと似たような性格だしフツーの西部劇だと思った。しかしロバート・デュヴァルが登場した辺りから俄然面白さが増して来る。
パピヨン

**ネタバレ注意**
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ウェインがそれまでやってきた凡百の西部劇のように勧善懲悪一辺倒な展開でもないし、撃たれたら血が噴出するしならず者の死体の描写も細かい(別にグロという訳じゃない)。 何と言うか“痛み”を伴う描写が多い気がする。この辺は時代の流れかな。 ルースター・コグバーンは粗野でアル中で隻眼で『リオ・ブラボー』みたいなキリッとした保安官じゃない。 酔って倒れたりするし、体も衰えている。 それでもウェインの右手にライフル、左手に拳銃を携え、手綱を咥えて4人の敵と戦う姿には鳥肌立った。

ラストのジョン・ウェインとキム・ダービーの別れのやりとりには何だかしんみりして、泣いた。 奥ゆかしくも心と心は通じ合っている、こんな繊細な心の機微が観られるなんて思わなかった。 確かに本作でのウェインのアカデミー主演男優賞受賞は功労賞のような意味合いが強いと思う。 けどこのときのウェインは賞に値する演技をしている。 ラストカットのキム・ダービーの表情がまたいい。 「笑いと涙に彩られたこの西部劇アクション大作」という文句は本物だった。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (2 人)小紫 3819695[*]

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