ここは「どこ」なのだろう？　それが「映画の中の世界」だと判明する。

何故、自分達がここに呼ばれたのだろう？　そして、どうすれば帰れるのだろう？　それが「未完成の映画を完成させる映画の意思」によるものだった。

また、「封印された地」が何なのかという謎も楽しみだった。

この様に、順次謎解きが進んでいく楽しさがあった。

そして、謎のままで終わっているのは少女「椿」の存在だ。

かすかべ座に帰って来ない「椿」に、皆は映画の中の人物だったからだと結論付ける。

しかし、西部劇の中にあって「椿」の名前はミスマッチだ。その上、服装だって西部の住人のそれではない。だから彼女は最初からの映画の住人とは思い難い。しんちゃん達が映画の世界に取り込まれる大分前から、映画の世界に入り、そしてジャスティスに拾われたに違いない。

彼女は映画が完結して帰ったのは、彼女が取り込まれた時代に帰ったのではないだろうか？　だからしんちゃんは会えなかっただけである。ルパン３世があのあとクラリスと結ばれたら今後収集がつかなくなる。それと同様である。

ジャスティスはこの椿に特別な感情を持っていたのかも知れない。だからこそ彼は封印された地をも教えている。彼女を失いたくないからあの世界を守りたかったのかもしれない。

謎解きが多く、笑いが皆無といっていいので「クレしん」にあるまじき「クレしん」だが、たまにはこんな「クレしん」もいいかもと思う。

しんちゃんの初恋が終わるのも切ない。　シロはもともと野原家に拾われてきた犬だ。もしかしたら以前は椿ちゃんが飼っていたのかも知れない。