[コメント] カレンダー・ガールズ(2003/英)
生き方に長けた女性、人生の些事に輝く何物かを見出していける女性というものは、幾つになっても美しいものだ。それは周りの我々をも楽しませてくれる機知が産み出す美しさだ。だが、我々凡俗はときにそこに世の中に許されない非常識を見てしまう。その行き違いをものともしない逞しさは、やはり彼女たちの財産だろう。
カレンダーを飾る彼女たちは、その生き方ゆえに我々をほっとさせてくれる。堪らなく保守的で杓子定規な考えにとらわれた社会に切り込んでゆく痛快さゆえだ。年をとった女が脱いでも見苦しいだけだ…そんな常識的美徳に、自分たちのいたずら心を糧としながら彼女たちは挑戦してゆく。連れ合いや息子たちの立場に自分が立ったら、やはり自殺も辞さない恥ずかしさを覚えるだろう。それにも負けない彼女たちの図々しさ…もとい、逞しさには男として脱帽せざるを得ない。おんなという存在のエロティシズムのお世話になりながら、それを露わにするのが女房やお袋だったときの男の見苦しい立場の豹変ぶりを、彼女らにばっさり斬られる心地よい痛さ。完敗だ。
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