[コメント] 愛のそよ風(1973/米)
ちょっと間違えばいやらしくなってしまう歳の離れた男女の恋愛を、いい意味で70年代ぽくない色使いやテンポで上品にみせるイーストウッドの普遍的なセンスが光る佳篇。波が印象的な浜辺、緑豊かな公園、ガラス張りの豪邸に黒い犬もいい。
確かに地味な作品で、劇的なドラマ性を求める向きには不評かもしれないが(また、そういう理由で日本では未公開とされていたのかもしれないが)、ベッドでホールデンとレンツがシャツのボタンを外していくところをじっくりと捉えたところなど、味わい深いシーンも多いし、何よりその2人がノビノビとそれぞれの役柄を演じているのがいい。
アクションシーンに関してはかなりハードな印象を残すイーストウッド演出だが、激しいラブシーンを撮るのは本質的に好きではないようで、この作品でも優しいキスシーンが中心の抑えめの演出に徹しているのが印象的だ。
そのあたりの感覚がのちの『マディソン郡の橋』あたりにもつながるところを感じて興味深くもあった。
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