[コメント] さよならジュピター(1984/日)
日本映画の敗戦記念日
幼馴染テロリスト女との、出会って4秒で無重力セックス。結果的に遺作となってしまった平田昭彦のロケットパンチ。タメゴロー率いるヒッピー集団。ゴチャゴチャとして焦点の定まらぬ物語。ハネケンの空虚な音楽。スカッとしない結末。ユーミン。普通に観て、ひどい駄作だ。特にギターを抱えたタメゴローには当時誰もがガッカリしたのだが、今観るとラッセンとオウム真理教の登場をかなり正確に予言しており興味深い。オウム信者は『宇宙戦艦ヤマト』より『さよならジュピター』を観るべきだったなあ。大根だらけの外国人役者の中で、岡田真澄が突出してカッコイイ。しかしそれくらいでどうにかなるものではなく、森繁久彌の登場で地球連邦は『小説吉田学校』と化すのであった。
監督の橋本幸治は、東宝のヴェテラン助監督だった人だ。監督としては1984年に『さよならジュピター』と『ゴジラ』を撮ったものの、明らかに能なしだったためプロデューサーを経て東宝の取締役員となり、幸せな余生を送ったという。思えば富野由悠季なんかはこれの5年前に子供向けアニメという制約の中で妥協しまくって宇宙SFの傑作『機動戦士ガンダム』を作っていたわけで、野心あふれる本物の天才と大企業のサラリーマンの間にはこれほどの絶望的な差があるのである。
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