[コメント] リトル・ショップ・オブ・ホラーズ(1986/米)
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これだけ明るいタッチの映画なら、やっぱりハッピーエンドでなければ後味が悪い。というか、ハッピーエンドが良く似合う。
フランク・オズ監督は、余りに絶望的過ぎるミュージカルのオリジナルストーリー(ラストで2人はオードリーIIに食われてしまう)は、ラストで出演者が出てこない映画には絶望的過ぎると感じ、一度作ったラストを作り直し、2人が結ばれるハッピーエンドにしたそうだ。
この演出は実に好判断だったと思う。ホラー映画ならともかく、コメディ映画で、絶望感は味わいたくない。とはいえ、このストーリーで、突然、違和感のある完璧なハッピーエンドを持ってこられたら、おそらく戸惑うだろう。その点、2人が結ばれるシーンを映しながら、最後で庭先にミニ・オードリーIIが出てきて、少し悪夢を匂わす微妙さが、実に巧いなと思った。
ただ、ラストをハッピーで締めくくるなら、歯医者(スティーブ・マーティン)を八つ裂きにするシーンは要らなかった様に思う。あのシーンがあると、その後のシーモア(リック・モラニス)には何となく影を感じてしまう。ラストのハッピーエンドに好感を持ちながらも、素直にシーモアを祝福できなかったのは、その点が頭にあったからだろう。
もし、歯医者をオードリーIIに食わすシーンも、花屋の店主と同様に、アクシデント的なものにしてくれれば、シーモアへの罪意識は感じずにいられるから、もっとラストのハッピーエンドを気持ち良く迎えられた様に思う。
基本的なテイストは好きだし、ビル・マーレーやジェームズ・ベルーシがチョイ役で出ていたのが嬉しかったし、3人娘のハモリは最高だったので、唯一そのシーンさえ無ければ、充分☆4以上をつけていたと思う。ちょっと惜しい気がする作品でした。
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