駄作。

長年に渡って隠蔽されてきた韓国政府による金日成暗殺計画とそれを巡る684部隊の反乱事件を元に作られた韓国映画。

もともとこの684部隊に入った男達が、死刑を宣告された囚人達。 もともとは殺人やそれ相応の罪を犯した人間達。 その人間達をシルミ島で特殊工作員として鍛え上げ、平壌へと向かわせる。 死刑で死ぬより、国家のために死ぬことを選んだのである。

しかしだ。 この囚人達に殺された人間達はどうだ？死を選ぶことをできただろうか。 この点で684部隊に感情移入などできなかった。 間違っても可哀相とは思えない。

実話になぞった映画であることには驚くがそれだけ。史実として後世に残したいのならば、後半のいかにも感動物といった演出を全て省くべき。省きたくないなら国外へ出すな、すら思いたくなる。

描かなければいけないのは、工作員になるための厳しい特訓ではなくて、囚人から工作員にならなければいけない状況と心理描写、そして後半の韓国政府への反発だろう。