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[コメント] 太陽は狂ってる(1961/日)

美点は撮影美術で、露出微妙に多めのカラーが埃っぽい街中をとても魅力的に捉えており、影の濃い夜も照明の技が冴えており、芦田邸から溝川抜けて逃げる二人を追いかけるアクションがとてもいい。
寒山拾得

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







話は最後の殺人が浜田光夫の父になるはずの稲葉義男という処でブラックコメディめいており、金持ちの旦那と母親の結婚による成金を揶揄う運命のような収束で、藤原審爾らしい気の利いたものだが、だからどうしたとも思わされる。

吉永小百合は最初バーに登場したときは笑顔なしでいつもと違う感じが魅力的なのだが、再登場時、父の芦田伸介を刺した犯人と知りながら浜田に笑顔を向け続けるのはいかにも不自然で、違和感だけが残った。なんでこんなホンを山田信夫が書くのか不明。

演出でいいのは、浜田と川地民夫の合いそうにない相性を合わせて感じのいいバディものに仕立てたことか。異邦人っぽいタイトルは気恥ずかしい。狂っているのは話も聞かずにすぐに生徒を休校にする学校なんだろう。「新宿ローラースケートリンク」が記録されており、ここの撮影もいい。背景にハイウェイが見えているからリアルだろう。チェンバロとビブラフォンのマイナーなテーマも良かった。新宿の道路工事現場に大八車が転がっているのがとても印象に残った。

(評価:★3)

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