[コメント] 総長の首(1979/日)
この作品には統一された「色」が無い。
この作品は昭和初期の設定なのだが、登場人物は皆「現代風」の髪型・服装の為か時代感覚が失せてくる。勿論、当時の最先端の風俗発信地である浅草だからソレは本当だったのかも知れないが・・・
菅原文太や梅宮辰夫の登場シーンは70年代の実録路線の1シーンと説明されたとしても違和感が無いどころか、これを昭和初期と説明する方にこそ無理がある。
清水健太郎・ジョニー大倉・三浦洋一等は実録路線末期の混迷する東映アクションか?そしてほのかに香りたつ文芸ロマンの匂いさえ感じられる。
そして鶴田浩二に至っては一時代前の任侠路線そのままの姿で登場し、映画の雰囲気すら変えてしまう。
なんだか、東映が手がけてきた全てのジャンルをアレもコレも詰め込んだかのようなまとまりのつかない映画になった。言ってみれば東映の転機となった『人生劇場』的な雰囲気の作品なのだが・・・
『総長の首』なんていうバリバリの実録風タイトルが寂しく邪魔に感じる。加えて音楽も実録路線風で、違和感の塊でした。
つまりは作風に統一感がなく、全てがバラバラ。鑑賞後、俺はいったいどんな映画を観たんだか良く分からなくなった。食べ放題の店でいろんなジャンルの食べ物を詰め込んだ後の妙な空虚感を思い起こさせる。
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