[コメント] フィラデルフィア(1993/米)
会社側弁護士のメアリー・スティーンバーゲンを善人化する時点で、正義を掻き立てるべき憎悪の源泉が消失してしまう。臨床的な現象としての病の受容が、ハンクス個人にではなく、社会的に表現される。
そこに至っては、生化学の作用ですべてが許され、正義の理念を追及できなくなる。ゆえに、死を目前としたより文芸的課題に寄り添うべきなのだが、かかるジャンル転換に躊躇して、話は宙に浮いてしまう。
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