[コメント] 巨人ゴーレム(1920/独)
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ドイツ表現主義(代表作は『カリガリ博士』(1919)で、カリガリズムとも呼ばれる)と呼ばれる映画の一本。主演のゴーレムに扮するのは監督のヴェゲナー自身で、大変このテーマが気に入ったらしく、既に1914年と1917年に2度映画化している。
で、この作品(当然サイレント)だが、監督が意図したとは思わないんだけど、大変滑稽な内容になっているのが特徴。だって、秘術で命を与えたゴーレムに何をさせるのかと言うと、家事をさせたり、お使いさせたりするんだから(家政婦ロボットかいな)。しかもそれを(当然)無言で行うゴーレムが苦虫を噛み潰したような、ぶすーっとした表情を崩さないから、なんか哀愁が漂うと言うか、凄いミスマッチ。更に言うと、ドイツ人であるはずのヴェゲナーがなんか東洋人っぽいから、端から見てると、モンゴル人の相撲取りみたいに見えてしまう。そのお陰でどれほど真面目な作品だったとしても、なんだか笑えてしまう。
やがて心を持ち、博士の娘に迫るシーンは後年の『フランケンシュタイン』(1931)によく似てる。感情を持っているにもかかわらず、やっぱりぶすっとした表情のままってのもポイントだ。
そして最後に暴走したゴーレムを封印することに成功したのは無邪気な子供ってのは、この作品のテーマでもあるんだろうな。
内容がユダヤ人迫害なのだが、変に社会的な方向には持っていかず、エンターテイメントとして仕上げたのは良かったかな?
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