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[コメント] ワイルド・レンジ 最後の銃撃(2003/米)

風景描写は「ダンス・ウィズ・ウルブス」より格段によくなっている。荒野のロバート・デュバルの単独アップにケビン・コスナーを並び立たせるシーンなどしびれる映像が盛りだくさん。内容は伝統的な西部劇。
スパルタのキツネ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







許されざる者』以降、もう観られないだろうと思っていた最新の西部劇。さすらいのカウボーイが町の悪者を倒すと言う単純なストーリーではあるものの、冒頭からのスピアマン、チャーリーとモーズ、バトンの3世代の描写は丁寧に描かれていた。特に大雨の中、カードを始めたエピソードは、(最初はカードが濡れたり飛んだりしないか余計な心配をしたけど、)4人の人間関係をさり気なく演出していて良かった。

チャーリーが墓地でモーズと犬(ティグ)に贈った別れの言葉、「一日中微笑んでいた」「毎朝、心からお早うの挨拶をしてくれた」は、字幕では主語をモーズとティグに分けていたけど、実際には"he"なのでどちらともとれる。モーズとティグがともに「癒し」の存在だったと思わせる洒落た演出だと思う。

決闘は、相手の所在を影や屋根裏部屋からの情報で確かめたり、部屋から撃ちぬいた相手が帽子を床に残してぶっ飛ぶシーンなど、『許されざる者』にはなかった古き良き西部劇っぽさを楽しめてよかった。チャーリーとスーのロマンスも決闘前後ともに感情に流されないところも骨太でよい。

ラストでは、ここぞとばかりにスーがチャーリーの本名(チャールズ・トラヴィス・ポステルウェイト)を口にするが、決闘の場面で死を覚悟したチャーリーに本名を問われたスピアマンが「本名はブルーボンネット、それだけだ。絶対に誰にも言わないでくれ。」と答えたのは偽名で、あの局面にあって2人とも生き残った時の楽しみを考えていたと思うと愉快。

(評価:★4)

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