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[コメント] 浮気な家族(2003/韓国)

セックス、ダンス、そして、無関係な死。
町田

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







イム・サンスの脚本が素晴らしい。常道的で、直截的で、やたら判りやすいくせに、ちゃっかり文学的で、更には哲学的でさえある。又、どのキャラも凄く良く立っていて、約100分間、一瞬たりとも、飽きさせない。

冒頭からスクリーンを横切っていく、無数の屍たち。

野良犬の死骸、発掘された白骨体、余命いくばくもない実父、惨死する養嗣子、報いを受けた犯罪者、風に聞いた祖父の死、実感の沸かない先祖達の死。

それはその時々によって人に、身を切るような悲しみや、開放感や、ハタ迷惑や、爽快感や、もろもろの感情を与え、また、何の感情をも与えなかったりする。

しかし、何れにせよ所詮、死は他人事なのだ。

生者は、その生が続く限り、様々な欲望を抱き、セックスを夢想し続ける。例えどんなに身近な他者の死でさえも、生者の欲望に歯止めを掛けることなど、根本的には、出来はしないのだ。

それは果たして、そんなに哀しいことだろうか。

いいや、そうは思わない。なぜって、私が此処に存在していられるのは、その厚顔無恥で破廉恥な行為のお陰なのだから。

ところで、弁護士亭主の浮気相手の短髪巨乳ネーチャンが、男の尾骶骨にクリトリスをこすりつけてよがってるって描写、何気にとっても斬新だったと思う。本当に気持ちよいのだろうか。チャレンジしてみる価値はありそうだ。

(評価:★5)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)ぽんしゅう[*]

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