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[コメント] テッセラクト(2003/英=タイ=日)

後半までのストーリーのもって行き方よかったのに、最後の最後になってウィットのいい加減な行動のせいで非常に盛り下がる内容になってしまった。
わっこ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

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バンコクのホテルを舞台に麻薬取引に巻き込まれる4人の男女のサスペンス映画。

一応四次元への展開図を視覚化したという哲学的な意図があるらしいが、映画的にはあまり哲学的な印象は受けなかった。ストーリー展開は各登場人物の行動の結果がどういうように起こったかを謎解き要素を含めて断続的に見せているところはなかなか上手く、後半までは観客の興味を上手く引っ張っている。後半も麻薬が4人を引き合わせるところまではテンポがよく緊張感がある。

各登場人物の個性も確立されており登場キャラには感情移入しやすい。心理学者の女性ローザを演じるサスキア・リーブスの子供への優しい笑みの表情演技は素晴らしかった。また女殺し屋リタ役のレナ・クリステンセンのワイルドな演技もかっこよく、銃撃シーンの演出も怪獣映画を思わせるダイナミックな迫力があり悪くない。

しかし、ラストで4人の登場人物を引き合わせるための演出とはいえ、ベルボーイの少年ウィットが盗んだ麻薬で一度は危ない目に遭っているにも関わらず、彼の逃走資金のお金を提供してくれたローザに麻薬を渡すのが理解できない。普通だったら、自分が命を狙われているわけだから、彼女巻き込まないようにすると思うし、恩人に等しい人なのに危険だとわかっている物をわざわざあげたりはしないと思う。その辺はウィットがお金をくれたお礼としてあげたと言うことになっているが、麻薬を盗んでからのウィットの行動や心情は説明不足な点が多くわかりにくいため、正直感情移入しにくかった。

そのためにクライマックスで起こる惨劇でウィットだけ助かっても好感が持てず、最後にウィットの言葉で締めくくるオチもふざけているようで正直、非常に萎えた。

結局のところ、後半までのストーリー展開のもっていきかたがよかったのに、最後の最後になってウィットのいい加減な行動のせいで非常に盛り下がる内容になってしまった。

(評価:★3)

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