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[コメント] マッハ!!!!!!!!(2003/タイ)

途中、トニー・ジャーが体操競技に出たら何点くらい出すのかなぁとか、そんなこと考えていた自分だが、最後は総合格闘技に出ても勝てるんじゃないかとか、そんな風に変わっていた。
ナム太郎

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







現実はそんなに甘いもんじゃないのかもしれないけれど、この映画でのトニー・ジャーはまさに鉄人で、そんな空想をも描かせてくれるほどに素晴らしいアクション&ファイトを見せてくれた。

映画に関しては、まず冒頭の木登りに魅せられた。無数の男達が1本の旗を巡って力の限り格闘する。その闘いに負けた者は容赦なく落下させられ地面に叩きつけられる。それもバタバタ落ちる。もちろん土にはかなりのクッション性があるとはいえ、これは常人にはできないアクションだ。とにかく痛そうなのだ。そしてまたそのアクションが、いわゆる主人公紹介のためだけに行われたものであることを知ったとき、心底「この映画は本気だ」と納得させられるのである。

その「掴み」を踏まえて、次なるアクションシーンは? と、どんどん期待が膨らむと、次に出てくるのはトニー・ジャーの軽やかな身のこなし。追いかけっこという単純な手法の中で、十分に楽しませながら、彼のカリスマ性がどんどんアップしていく。このあたりも上手い。

また、言い忘れたが、カリスマ性という点でいえば、彼が自分の金を取り戻すために闘わなければならなくなったとき、それこそ一撃必殺の蹴り一発で相手をKOしてしまうというシーンはインパクト抜群であった。

このように、前半部分に、いわゆる背景の説明に使われる本気のアクションが特に素晴らしい。ここまで魅せられると、あとは後半一気にいくだけである。そして後半はまさに一騎打ちの連続。肉体という最大の武器を十分に使ったそのアクションはどれも心躍るものがあった。

ただ、欲を言えば後半はアクションを安売りしすぎた気がする。前半のように、ドラマ構成上意味のある設定の中で行われるアクションには観客の側も登場人物に感情移入したうえでのカタルシスを感じるのだが、ただダラダラと続くだけのアクションでは、それはそれで確かに素晴らしい見せ場の連続ではあるものの、観客としてはどこか置き去りにされた感がしないでもなかった。そのあたりが非常に惜しく、残念だった。

ただ、そうは言うものの、トニー・ジャーのアクションの素晴らしさは誰もが認めるところだろう。今後もその肉体を最大限に生かしたアクションで私達を魅了してくれることを期待している。

(評価:★3)

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