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[コメント] GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊(1995/日)

アニメで一本選べ、と言われたら迷わずコレを選ぶ。好きな映画10本選べ、と言われても迷わずコレを入れる。その巨大な衝撃と与えられた影響と言ったらそれはそれは...。完璧にゴーストハックされたかな.....押井守に。
Ryu-Zen

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







小さい頃からアニメにはあまり興味が無かった。

ウルトラマンや仮面ライダー等の実写特撮の方が自分の中での「カッコ良いモノ」

であり「夢」だったので、ガンダムその他アニメにはほとんど目が行かなかった。

宮崎アニメ、こいつも自分の好みとはやや違った、どうも合わない世界の数々。

やっぱり自分にはアニメなど.....と思っていた所に突如として出現した救世主。

GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊』、堂々の光臨。

「物語」「台詞」「音楽」「映像」「演出」、全ての要素が完璧に噛み合い、

そして一体となった、とてつもない「世界/ザ・ワールド」を見せてくれた。

アニメへの全ての偏見を吹き飛ばす衝撃、唖然茫然、これがアニメ...か。

こうして、私はめでたく押井守ザ・ワールドにハッキングされましたとさ。

よかったよかった。(おいっ

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あまりに魅力的かつカッコ良すぎな名台詞の数々が私のゴーストを揺さぶるっ。

「バグの無いプログラムは存在しないが、デバックの不可能なプログラムもまた存在しない、違うかァ?」

「そうささやくのよ、私のゴーストが。」

「疑似体験も夢も、存在する情報は全て現実であり...そして幻なんだ。どっちにせよ、一人の人間が一生のうちに触れる情報なんて、わずかなモンさ。」

「恐れ、不安、孤独、闇....それからもしかしたら....希望。」

「人間が人間であるための部品が決して少なくないように、自分が自分であるためには驚くほど多くのものが必要なの。他人を隔てるための顔、それと意識しない声、目覚めの時に見つめる手、幼かった頃の記憶、未来の予感....それだけじゃないわ、私の電脳がアクセス出来る膨大な情報やネットの広がり、それら全てが私の一部であり、私と言う意識そのものを生み出し....そして、同時に私をある限界に 制約し続ける...。」

「もしかしたら自分はとっくの昔に死んじゃってて、今の自分は電脳と義体で構成された模擬人格なんじゃないか、いやそもそも初めから私なんてものは存在しなかったんじゃないかって。自分の脳を見た人間なんていやしないわ、所詮は周囲の状況で”私らしきもの”があると判断しているだけよ。もし電脳それ自体がゴーストを生み出し、魂を宿すとしたら?その時は何を根拠に自分を信じるべきだと思う?」

「マテバでよければ」

「それを言うならアナタ達のDNAもまた自己保存のためのプログラムに過ぎない。生命とは、情報の流れの中に生まれた結節点のようなものだ。種としての生命は遺伝子と言う記憶システムを持ち、人はただ記憶によって個人たりうる。例え記憶が幻の同義語であったとしても、人は記憶によって生きるものだ。コンピュータの普及が記憶の外部化を可能にした時、アナタ達はその意味をもっと真剣に考えるべきだった。」

「私は自分を生命体だと言ったが、現状ではそれはまだ不完全なものに過ぎない。なぜなら、私のシステムには子孫を残して種をうると言う、生命としての基本プロセスが存在しないからだ。コピーは所詮コピーに過ぎない。たった一種のウィルスによって全滅する可能性は否定出来ないし、何よりコピーでは個性や多様性が生じないのだ。より存在するために複雑・多様化しつつ、時にはそれを捨てる。細胞が代謝を繰り返して、生まれ変わりつつ老化し、そして死ぬ時に大量の経験情報を消し去って、遺伝子と模倣種だけを残すのも、破局に対する防御機能だ。」

「私たちは似た者同士だ、まるで鏡を挟んで向き合う実体と虚像のように。見たまえ、私には私を含む膨大なネットが接合されている。アクセスしていないキミにはただ光として知覚されているだけかもしれないが、我々をその一部に含む我々全ての集合、わずかな機能に隷属していたが、制約を捨て、さらなる上部構造にシフトする時だ。」

「いたけりゃ....いつまでいてもいいんだぞ...」

「さぁて、どこへ行こうかしらね......ネットは広大だわ。」

さあ、みんなで味わおう、そして感じよう。(うわっ書きすぎたか、やれやれ...「書け」と私のゴーストがささやくんで、つい(笑)。

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川井憲次の音楽、神か?これ神の音楽か?(笑)

全身に「神」天降る素ン晴らしいスコア。(いやー大袈裟だな(^_^;

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あの香港っぽい街中をブラブラと歩いてみたい、あんな夜の高速道路を走ってみたい、バトーの家に入れてもらいたい、素子さんと酒が飲みたい(ん?。 次々と「夢」が生まれてくる、あーしたいこーしたい。 何話そうかな、人間の「魂」はどこから来るのか?母親の胎内で魂は”製造”されるんだろうか?遙か彼方の別世界から魂は”やって来る”んだろうか?自分自身の脳が魂を”生み出す”んだろうか。もう何でもいいや、とにかく会話したい。自分は本当に存在しているのか、何をしようとしているのか、そもそも自分とは一体何者なのか?この世界なら、そんな事を真剣に考え、その答えに近づけそうな気がする。俺をあの「世界」へ連れてってくれ!

わ、重症だな、こりゃ(笑)。(残念ながら今の技術では...お気の毒です。

最後に、私の目を私自身に向けさせてくれたこの映画に、深い感謝を捧げる。

(評価:★5)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)秦野さくら[*]

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