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[コメント] パリ・ルーヴル美術館の秘密(1990/仏)

この映画で美術を少しでも鑑賞しようとする美味しい考えはすぐ打ち消される。レンブラント、ドラクロアの自画像も作業員の蛍光灯越しだし、真正面からまともに見られるのは皆無だ。作業のついでに少しは見させてくれる。そのほんのりサービスがメチャ嬉しいのだ。
セント

出だしから、大好きな自画像が見られる。しかし、それは、夜中の作業の懐中電灯越しなのである。それでも、心酔ものなんだけど、この映画はルーブルで働いている人の作業を中心に映像化している。だから、絵画、彫刻は作業の過程で少し垣間見れる程度なのである。

風景として美術があるって言う感じなのかな、僕のほうは、作業そっちのけで、この映画では脇役の絵画等ばっかりに目が行ってるのだが、それはこの監督観客の心理をよくご存知で、かなり意地悪なんだなあ、モナリザも、ミロのビーナスも、ニケも一応は見せてくれる。 でも、真正面からは見せてはくれません。 真正面で見せているのは、ルーブルで働いている人たちの実働作業である。

う〜ん、いいなあ。 こういう意地悪な、それでいて、美術への愛情いっぱいの映画も、やはりフランスだからこそっだろう。

洒落た映画です。その粋さに参りました。 でも、映像はいたって、普通です。だからいいのかもしれない。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)ジャイアント白田

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