[コメント] ヴァン・ヘルシング(2004/米=チェコ)
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クラシック・モンスター勢揃いのはずなのですが、どうもモンスターの設定を変えすぎのような気がしました。
吸血鬼;にんにく、聖水、十字架、直射日光に弱い。昼間は棺で寝ており夜間に行動する。寝ているとき心臓に木の杭を打たれると死ぬ。鏡に映らない。吸血鬼に咬まれたものも吸血鬼と化す。時折、蝙蝠となって空を飛ぶ。
狼男;満月の晩に狼に変身。昼間は人間の姿に戻る。銀の弾丸を体内に受けると死ぬ。狼男に襲われたものも、狼男と化す。
フランケンシュタイン:怪力を発する。優しい心の持ち主だが明確に言葉を発することが出来ないため、人間とコミュニケーションを取るのが苦手でその恐ろしい容貌から誤解を受けてしまう。
旧来描かれてきた設定、イメージはこんな感じだと思うのですが、ケイト・ベッキンセールの兄が襲われるシーンで狼男が昼間から活動していたり、言語明瞭に話すフランケンシュタイン、昼間から空を自由に駆け抜ける花嫁3人とか(直射日光が当たらなければいいのかもしれませんが...)、クラシック・モンスターを多数登場させている割にはそのセオリーがあまり守られていないような気がしました。
クラシック・モンスター共演が売りだと思うのですが、ドラキュラの子供達の巣のイメージは現代的なエイリアン・シリーズっぽいとか、作品世界内のルール、ビジュアルの方向が曖昧なのでクラシカルな趣を楽しめばいいのか、それとも現代的な感覚のアクション・アドベンチャーとして見たらいいのか掴めずやや作品世界に入りにくかったです。
ヒュー・ジャックマンの個性、ケイト・ベッキンセールの容貌(特にスラリと伸びた足が美しい)、切れのあるアクション、小道具類はとてもよかったので、作品内のルール決めが曖昧な点が少々残念でした。作品全体に溢れかえる熱気は凄まじいものがあったのですが。
製作がユニバーサルなので、おそらくUSJなどでアトラクション化を考慮しているのだと思うのですが、アトラクションの題材には打ってつけの映画ではあったような気はします。
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