[コメント] フック(1991/米)
やはりスピルバーグと大多数の観客の感動のツボにはズレがあるようだ。「悪口で童心を取り戻す」など至るところに展開の不備があって居心地が悪い。「父」の主題ひとつを取ってもスピルバーグの重要作であるには違いないのだが、私はこれを積極的に擁護するほどに熱狂的な彼のファンではない。
まず、このようなきらきらした画作りは好みでないし、その割にネバーランドはごちゃごちゃと狭苦しく窒息している。空間的魅力に欠くことはこの種のファンタジーにとって致命的な瑕疵だ。ロビン・ウィリアムスにははじめから何の期待もしていないので失望も感じないが、子役に関してはもっと質のよい人材を揃えてしかるべきだろう。これはハリウッド映画なのだから。多分に少年性を持ったジュリア・ロバーツのティンカー・ベルはよい。ロバーツではこれがいちばん好きかもしれない、とまで云ったら不審の目を向けられるだろうが。
(血の繋がりがないことは承知だったとは云え)「祖母」だと思っていたマギー・スミスがあの「ウェンディ」であり、その孫娘に恋をし、結婚し、子をもうける、というウィリアムスの人間関係は少しく背徳的に倒錯しており、そこをもっとフィーチュアしてほしいようなほしくないような面白さがある。
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