[コメント] スウィングガールズ(2004/日)
映画を見終った人むけのレビューです。
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乱暴な言い方をしますが、クラブ活動を楽しくやる方言女子高生がキャッキャしているのに萌える映画としか思えなかったです。日常系アニメが流行ってるというし、それと同じ感覚なんじゃ?と。 キャッキャした日常がリアルな青春像なんだよ! っていわれればそうなのかもしれませんが、私は女子高生の日々=無条件で青春という認識はなく、大人でもなく子供でもない複雑な立場の世代が悩んだりいろいろ考えて行動して、失敗したり成功したりするのが青春だと思っています。 言葉に対する認識の違いのせいなんでしょうが、特に考えもなくキャッキャしているのを見ても、青春だとは全く感じません。
主人公たちの練習風景は特に描かれないのに、たちまち町の人気者! っていう描写も、ポップにやってるつもりなんだろうけど、くだらないと思いました。 一番嫌いなところは、主人公が大会の申し込みを忘れる→言い出せずにみんなで会場に向かう→たまたま来られないチームがいたので出られます! っていう展開。ご都合主義ってだけではなく、百歩譲ってもたまたま運がよかっただけの状況になぜ感動できるのか理解できない。
ここからは私情が多く含まれた意見です。クラブ活動をバリバリやってた自分から見て、許せないものがあるっていう。 クラブ活動で大変なのは、クラブでやる内容(スポーツ、楽器など)そのものだけではなく、人間関係や事務処理やスケジュール調整を上手くやるってこと。 事務処理、スケジュール調整は顧問がすることもあるけど、この映画では主人公がやっていた。(少なくとも大会申し込みは) 一見、単純で簡単に思えるけど、これらは意外に難しい。面倒臭いし、事務処理には期限がある。大会の申し込み書類で不備をして不受理になったら、それこそすべてが台無しで、プレッシャーがかかる役目。その割りに地味で、あまり周りから感謝はされない。だけど、これらをきっちりやって初めて良いクラブ活動ができるのであって、任された限りちゃんとやるのが責任というもの。そして、責任の重さというのを知るのも青春の要素だと思う。 はっきりいって、大会の申し込みを忘れるなんて、もってのほか。ドジっ子設定なのかもしれないけど、責任感が全くないだけにしかみえない。 そういう設定ならそれでいいんだけど、その責任が追求されず、運がよくて切り抜けた!いい演奏をした!青春万歳!って終わるのは、どうしても許せないです。 運がよく出れても、真剣にクラブ活動してればしてるほど、後の反省会でボコボコだし、逆にボコボコにするほど真剣にやってるから素晴らしい演奏ができるんだと思うぞ。
上記のところを筆頭に、派手で華やかな部分ばかり見せる薄っぺらい映画だなぁ、と。 派手で華やかな部分を否定するわけではないけど、そういう部分って地味な練習や地味な事務処理に支えられて、存在するものなのに。
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