[コメント] モンスター(2003/米=独)
映画を見終った人むけのレビューです。
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劇中で初めて犯した正当防衛の殺人。そこからフッキレたアイリーンはセルビーとの愛のために強盗殺人を繰り返していくようになった。実際にもアイリーンがあのようになってしまった理由の一つは屑みたいな家族に囲まれた家庭環境にあったようだ。ただ、実際の話に比べると映画で語られる彼女の半生はまだマトモなようで、その脚色とアイリーンの一人称で語られる物語は中途半端に観客の同情と感情移入を呼び込もうとする。例え孫の誕生を待ちわびて命乞いする初老の男性の頭を撃ち抜く女であろうとね。
「まだ子供だったときに体を売ることを覚えて生きてきたアタシが生まれてはじめて知ってしまった愛。ただひたすら純粋で夢を持った愛。その愛ゆえに殺人をしてしまいました。」別にそれでいいし、二人の過ごす時間がどんなに甘美なものでも構わない。でも結局製作者が何したいのかよく分からなかった。どんなに脚色しようとアイリーンは同情の余地なき殺人者であるにも関わらず、その視点は常に彼女サイドからの一方的なものである。見せて聞かせて何をしたいんだと。妙に問題意識抱えるよりアメリカン・ニュー・シネマのノリにしちゃえば良かったのに。
とりあえず、むっちりなクリスティーナ・リッチが個人的にジャスト・ミート。これが最大の収穫。
参考・http://profiler.hp.infoseek.co.jp/aileen.htm http://www8.ocn.ne.jp/~moonston/gay.htm
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