[コメント] コラテラル(2004/米)
ストーリー展開は二の次三の次。夜のロスをとにもかくにも疾走する二人を映し出す映像、そして音楽が心地いい。特にクラブのシーンは好み。でもそれだけじゃない。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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たしかにT・クルーズは「殺し屋」にしては目が優しすぎる。そしてヘマも多い。でも考えてみれば「殺し屋」が皆こぞって悪人顔で完璧な任務遂行をするとは限らない。まあカリスマ的な殺し屋を見たい方にとってはそこが不満点にもなるだろう。「トムに殺し屋は似合わないよ。やっぱいい人だもん」みたいな。
それでも、魅せるトコは魅せる。チンピラを瞬時に撃ち殺す場面やクラブでの白兵戦には殺し屋として培ってきたウェポンとしての片鱗を見せてくれる。この時ばっかりは優しい目つきにも幾分鋭さが沸いていた。
彼に不足していたのは、殺しの時間以外での用心深さや計画性の緻密さなのは明らか。そしてこれを多少なりとも引き出したのはタクシー運転手・マックスの人柄だろう。リムジン・サービスのビジネスに夢を託しながら地団駄を踏んでいるマックス、良くも悪くも殺しという生業に全精力を傾ける彼にはどこかひ弱に映りながらも、「今この瞬間をハードに生きてみろ。先が見えない人生も面白いもんだぜ。」とマックスの萎びた導火線にポっと火をつけてくれたと考えれば、なんて素敵な殺し屋なんだということにもなってくる。最後はそのマックスに撃たれ誰も乗ってない地下鉄で息を引き取るのも皮肉だが、「殺し屋」としては手抜かりのあった彼にはふさわしいラストだったと思う。
結論。やっぱT・クルーズはいつでもかっこいいよ。満足。
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