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[コメント] 砂と霧の家(2003/米)

これはとても力のある映画だ。何と云ってもベン・キングスレーの病院での大熱演シーンには度肝を抜かれる。大芝居だが見事に納得性を持たせている。その後の静寂との落差もいい。ロジャー・ディーキンスの画面造型はコーエン兄弟作で見せる画調とは全く異なる重々しいルックで統一されており、これも見所だ。
ゑぎ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

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 また、ジェニファー・コネリーの美しさでこの映画に惹きつけられる部分も大きい。しかし、この役をやるには美しすぎるキャスティングで自堕落さが上手く演出されていないと思う。だたし、反面、彼女に溺れる警官・ロン・エルダードの暴走の原因が彼女の美貌にある、というようなファム・ファタールとして彼女を演出する「愚」も避けられており、彼女の扱いは難しかっただろうと思わせる。中途半端だと云うこともできるが、難しい扱いの中での最善の着地点ではないだろうか。

 あと、キングスレーの妻を演じるショーレー・アグダシュルーの不安感の表出は素晴らしいし、女弁護士役フランシス・フィッシャーの冷たい聡明さの表現も見事だ。

(評価:★4)

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