コメンテータ
ランキング
HELP

[コメント] ソウ SAW(2004/米)

セブン』と『ゲーム』に少々影響受けすぎな感じもするが、映像展開や緊迫感と悲壮感のある演出で最後まで興味深く見られた。ただ、最後のオチの時点で、映画は疑問点の方が多く残ってしまった。
わっこ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







猟奇殺人犯ジグ・ソウの罠に嵌められた男たちのサスペンス・スリラー。

デビッド・フィンチャー監督の『セブン』と『ゲーム』に少々影響受けすぎな感じもするが、ジグ・ソウの正体の謎を解き明かしつつ、監禁された二人の運命を追う映像展開、そして緊迫感と悲壮感のある演出で、最後まで興味深く見られた。

最後は悲劇的なオチだが、ジグ・ソウの正体がわかった時点で、映画は、悲劇的な余韻より疑問点の方が多く残ってしまった。

恐らくラストは意外性のある展開を狙ったのだろうが、犯人がゼップでなくなったことは設定に大きな無理が生じてしまう結果となった。

まず、ジグ・ソウが重病患者ジョンだとなると、彼は数々の事件で病院を抜け出しつつ、意識を失った人間を一人で監禁室へ運び、舞台装置も自分で作ったことになるが、重病患者が果たしてそこまで体力を要する行動が誰にも怪しまれずに出来るのかという点。

さらにジョンは数時間の間、死体のふりをしていたわけだが、数時間以上も意識を保ち、両手を上げたまま、うつぶせになっていれば、当然手足の痺れがあるわけで最後の場面で普通に立つと言うことはどう考えても不自然。まして重病患者ならなおさらである。

さらにジグ・ソウはどうやってゼップに言うことを聞かせたのかも疑問が残る。過去の被害者は監禁させられていたからこそ、ジグ・ソウの期待する生か死かの二者択一の選択を迫られたわけだが、ゼップの場合、全く拘束されていないわけだから、毒を盛られたとしたら、本当に約束を守るかわからないジグ・ソウの言うことを聞くよりカセット・テープを証拠に病院なり警察に助けを求めるのではないだろうか。

構成的には、監禁された二人がジグ・ソウの用意した小道具を逆に利用して、危機を脱出する展開を期待したのだが、終盤は絶望を煽る演出ばかりになってしまい、ゲームという部分での面白さがなくなってしまった。

猟奇殺人のアイデアはなかなかよかっただけに、もう少しテーマを絞って作って欲しかった。

(評価:★4)

投票

このコメントを気に入った人達 (2 人)ガム おーい粗茶[*]

コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。