この手の不条理モノって、私は「犯人が誰かってことなんかもうどうでもよくなるような展開」が面白いと思うんです。『CUBE』にしたって誰が仕組んだものなのか、観ている間に私はそんな事はどうでもよくなってるんです。この作品も同じで、ジグソウが誰であろうとどうでもいいっていうか、誰がジグソウであってもおかしくないし、そう思った時点で結局誰がジクソウであってもビビらないんですよ。

死体がムクっと起き上がった時、私は本気でコントかと思いました。（そう思ったのが私一人じゃなくてヨカッタ！）戦慄どころか失笑モノです。ツッコんで下さいと言わんばかりのオチじゃないですか。普通なら寝ちゃいますよ、長時間あんな事してたら。確かにあの死体が何故あそこにあるのか･･･という疑問は浮かびませんでしたけども。だからって「うわ！意外！」みたいに思えなかったのも事実。もっと衝撃のオチが待っていると思っていただけに、逆に騙された感が強いです。（まぁある意味衝撃のオチですが…）

そして不条理っぽい作りなのに「生きている事にありがたみを感じていない」とか言うところがすごくクサい。斬新な作品に思わせておいて実はすごく野暮ったいというか。謎解きにしても中途半端。不条理ものにしても中途半端。へたにドラマ性を持たせてるのも中途半端。なんか本当イマイチでした。

でも時間を忘れて食い入るように観てたのは事実。その分オチには失笑だったんですけど。でもこれだけの集中力を保たせる映画もそう多くはないので、観て損したとまでは思わない作品でした。

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06.07.12　記