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[コメント] ソウ SAW(2004/米)

新感覚ではあるが、とても親切丁寧で(生理的に駄目な人を除けば)万人向け。沢山のピース(謎)の提示も、それを繋ぎ合わせる感覚も緻密。極限状態に陥る工程よりも、むしろ犯人探しを描く上での常套手段な展開が効果的だということに納得。
ナッシュ13

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







言い聞かせるように1人で納得。

パズラー、バッドトリップ、混乱に次ぐ混乱……こんな作品を予想していただけに良い意味での肩透かしを食らった。

密室の2人以外に、彼らを取り巻く人間と、そして犯人(ジグソウ)がいる。ここで作品は誰が犯人なのか?という一番大きなピースを嵌めに掛かる。すると、ゴードン医師の妻子が逃れようとする様、タップが精神錯乱しつつも犯人を追い求める様、そして犯人の正体や真相を紐解こうとする2人の様が非常に丁寧に描かれていた。これって、スリラーやミステリーの一般的な作品を観ている感覚に近い。設定はあれほどまで妙なのに、だ。(ここで、この作品がホラーであり、スリラーであり、ミステリーであり、クライムであることを思い出した)つまり何が面白いかって、単なる密室は1つの舞台にすぎないということ。この映画の世界観は狭いようでやたらデカい。

確かに突っ込みどころも多い(逆に荒削りなところを楽しめたりもする…)。最も、ちょっと描かれ方が薄いような気がする2人が追い詰められていく様子だが、あのまま2人に固執していく展開だったらどうだろう?とも思う。それはそれで見応えがありそうだが、万人受けしなくなりそうな恐れも。ただでさえ密室という強烈な舞台なのだから…。

鑑賞後、岡嶋二人の『そして扉が閉ざされた』という小説を思い出した。これは男女4人が何者かによって地下シェルターに閉じ込められたという設定で、物語の冒頭は、この作品とまるで同じ。ある事件を背景に4人が極限状態に陥りながらも脱出と真相解明の推理を試みる…というもの。若者4人なのでちょっと「青春ちっく」ではあるけど(笑)、とても読み易いのでオススメ。以上宣伝でした。

(評価:★4)

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