[コメント] ネバーランド(2004/英=米)
観ているうちに現実と空想が交錯していく、妙な感覚を覚えます。でもそこがこの映画の狙いだと思うので、観てる人がこうなった時点でこの映画は大成功なんだと思います。
こういう風に、現実をベースに御伽噺を肉付けしていく映画の場合、非現実の世界に画面が変わると、その取って付けたようなわざとらしさが鼻につく事が多々あります。ファンタジーを見ていても理性が働いて「結局は夢物語だよ」とか「空想の産物にしか過ぎない」とか、どこかで冷静な自分が映画を観ている事ってよくあります。
この映画を観ていても同じような感覚になりましたが、その空想の世界を信じてみたいっていうクサく甘っちょろい変な感情も生まれてきて、まさに夢物語のようなその美しい世界に戸惑いや猜疑心を抱きつつも、何故か涙が出てきました。ありえない事でも素直に信じられる心なんてとっくの昔になくなったし、そんな心を今でも持っていたらそれは単なる危ない人になってしまいますけど、でも今は失くしてしまったそういう心への憧憬が、きっと涙という形で表れたんだなと思います。
ジョニー・デップや、子役のフレディ・ハイモアも良い演技をしていたと思いますが、私はケイト・ウィンスレットがとても良かったと思います。『タイタニック』で色々叩かれた彼女ですが(私は『タイタニック』という映画は好きです)、良い女優さんになったなーととても嬉しく思います。
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08.04.04 記
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