[コメント] ボーン・スプレマシー(2004/米=独)
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前作『ボーン・アイデンティティー』(2002)のヒットを受けて作られた続編。洗練されたアクションと、あくまで自分探しを主眼とした物語構成は基本的には変わっていないが、前作が「自分は何者か?」ということで終始していたのが、本作では「過去自分は何をした?」というところに物語が微妙にシフトしているが、同じような緊張感を演出するためには必要な措置だったのだろう。
続編だけに、前作と比べてアクションシーンはより派手になっている分、前作にあったタメの要素が少なくなっているが、パメラというもう一人の主人公を登場させ、彼女の方にストレートな物語を割り振ったことで、平板にならないよう気をつけ、きちんとメリハリを取っていて、結果として、1作目とは違った魅力を演出することができている。
実際これによって作品の質そのものを低下させることは無かったのだが、ちょっと残念だったところが、自分のアイデンティティを探すという本シリーズの肝の部分が薄れてしまったこと。それと、CIAがしてきたことを告発するという部分が少々弱くなってしまったのが残念かな。ボーンの本名が明らかになったり、ボーンが関わっていたCIAの作戦の名前が出たりはしてるけど、それも続編に持ち越しになってしまったし。
本来持っていたシリーズの魅力が薄れてしまい、特に次作『アルティメイタム』の出来が良いため、悪い言い方すると、中だるみって感じもあり。純粋なアクション作品としての質は高いんだけどね。
…と言うのが、一作目の続きで本作を観た時の印象。だが実は本作は単体で観ては真価を見誤る。三作目、『ボーン・アルティメイタム』を観ると実は…という謎がちゃんと隠れていたりする。実際本作は『ボーン・アルティメイタム』を観た後で真価を発揮する出来になってる。
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