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[コメント] シルヴィア(2003/英)

岐路がどこにも無い一方通行な物語だが、だからこそ汲み取れる感情もあった。詩人として生きる、生きたい気持ちには圧倒される。個人的には、これまで詩は取っ付き難いものだったが、少しだけその印象を変化させてくれた作品かもしれない
ナッシュ13

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シルヴィアの語りから幕が開けられる作品だけあって、全編彼女の視点といっても過言ではない作風が印象的。それだけにもっと(それらの事情の)細部まで知りたいという気持ちもある。やはり彼女の生涯において肝となるテッドの「彼の想うシルヴィア」がもっと知りたいのだ。シルヴィアは苦悩を続けるが、テッドも苦悩していたのではないか。人間には様々なタイプがある。両者は全く異なるタイプのはずで、苦悩や苦痛の見出し方は絶対に違うはずだからだ。おそらく、詩という共通した感情の捌け口でしか、シルヴィアとテッドは苦しみを共感することが出来なかったのではないか。この作品からは、こういった印象を受けてしまった。

シルヴィア・プラスの存在自体初めて知ったが、ちょっとだけ、彼女の詩集を手にとって読んでみたい気持ちが生まれた。詩は、読者には想像し得ない部分を如何にして掴み取るのか…。もしかしたらこれが重要なのか?と思うと同時に、グウィネス・パルトロウが演じた(想った)シルヴィアと、自分が感じたシルヴィアとの差異を比較したくもなった。

グウィネスの演技力も素晴らしいの一言。表情一つとっても、それが醸し出すオーラが繊細で美しくてとても印象的だ。また彼女の存在が、この作品を成立させているといっても嘘ではない。

(評価:★3)

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