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[コメント] 岸辺のふたり(2000/英=オランダ=ベルギー)

「親」としての父と「異性」としての父。(レビューはラストに言及)
グラント・リー・バッファロー

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







たまさか休息することはあるものの、作品内で基本的にどんなきつい坂道があっても老若男女を問わず人はみな自転車を漕がなければならない。岸辺の先への寄り道は許されず、懸命に自転車を漕いできたその女性は、人生の終末を迎えようやく自転車から離れることができた。現世での自転車運動から開放された彼女が選んだのは、幼児の頃に自転車の漕ぎ方を教えてくれた父ではなく、少女の頃初めて意識した「異性としての父」であった。

そんな私の拙劣な読みはともかく、自転車というものがこんなに画面の中で映える魅力的な乗り物であったということを改めて思い知らされた。高橋陽一郎による『水の中の八月』における自転車の優れた使い方などを思い出した。

(評価:★3)

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