[コメント] ビフォア・サンセット(2004/米)
『恋人のまでの距離』から9年後の再会。会話劇は変わらず面白いのだが、ふたりは大人になりすぎてしまった…。やはりあの輝かしい夜の方が、胸に響く。(2008.09.19.)
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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僕はやっぱり前作『恋人までの距離』の方が好きだ。その前作での眩しいほどの出会いが、どうしても印象的で忘れがたいから。本作でもフラッシュバックで前作のシーンがいくつか登場するが、“若さ”には勝てない部分があるのではないかとどうしても思ってしまう。
無論、80分の上映時間がすべてリアルタイム進行で、会話が物語の中心という前作を踏襲したスタイルは今回も生きている。夕暮れ間近のパリの街をただ歩きながら、というそのシチューションも何気はないけどとてもロマンティックだった。
カフェに向かう道で会話をしながら、曲がり角に来ると「こっちよ」と言って会話を中断するところなど、不自然さを感じさない細かさも巧みだ。
違和感は中盤に訪れたのだが、それは彼らふたりが大人になりすぎたということだと思う。それゆえに切なさは生まれてくるのだが、僕は前作の青春の輝かしさを追い求めていたようだ。
ラストシーンは味のある終わり方ではあるが、大人になった気持ちを激白したからこそ、ちゃんと車に乗って別れる場面まで描いてほしかった。あくまで、この短い時間を大切にそれぞれ人生を歩んでいくんだよ、と。
部屋にふたりでいたまま終わるなんて…、ある意味残酷な選択肢を観客に与えているように思えてならない。
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