[コメント] ガール・ネクスト・ドア(2004/米)
映画を見終った人むけのレビューです。
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「モラル」とは道徳とか倫理という意味合いだけれども、個人個人その考えは違っていても、ある程度のモラルを植えつけられるのはまさに学校であったり家庭であったりと少年期の教育だったりするわけだ。しかしながら、そのモラルに価値観を見出せない人は多い。特に映画の舞台となった高校生なんかはそうだ(こんなこと言っている自分も…)。そのモラルに対し、一見非常識な姿勢で挑んでしまったのが本作。高校にAV業界を介入させ、更にはストリップショーやら性教育なんかも織り交ぜてくる。ここで「モラルが無い」と言っちゃうのはタブー。オチを観れば分かることだが、世間的に非難されがちなAV業界だって、そのモラルに入り込む余地が十分あるわけだ。モラルは保たれるわけなのだ。校長が「低俗だ」なんて言っているが、その横で母親は「面白いじゃないの」なんて言っちゃってる。価値観の違いはあるけれど、「こういうケースがあってもいいじゃないか」の見本になる。このオチには本当に唸ってしまった。ある種の爽快感もある。『アメリカン・パイ』のような青春映画とは一味も二味も違う青春映画。
この手の映画にしては110分という長尺ながらも、非常にアップテンポな展開が全く飽きさせない。主人公のマシューが禁断のAV業界と係わり合いを持つようになってくるあたりからが本当に面白い(笑)。ケリーやヒューゴといった大物の存在と普通の高校生であるマシュー達3人。そんな構図がおかしくてたまらない。三脚達が地味だからこそ、そのギャップに笑っちゃうんだろうけど…。最後の撮影シーンでは業界人になりきっている3人。ほんと爆笑。
また、欠かせないのはマシューとダニエルの恋愛。ダニエル役のエリシャ・カスバートには今をときめく女優なので露出に限界があるのだが結構頑張ったのではないか(笑)。ただ、そういったシーンがあっても少々「禁断」に欠けているようにも思える。この二人の恋愛を応援したくなっちゃうのは間違いないけれど…。少し惜しいところか。
三脚のエミール・ハーシュ、クリス・マークェット、ポール・ダノはこれ以上ない好演。熱いぜ結束力!
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