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[コメント] カラスの飼育(1975/スペイン)

また君に会えたね
アルシュ

アナ・トレント出演作はレンタルビデオ屋では滅多にお目にかかれない。だが、図書館から借りた『ミツバチのささやき』を返却時に見つけることが出来た。アナは瞬きもせず、カメラを真正面から見据えているのにそれを意識させず、まるで観客に訴えかけているような瞳が印象的。それでいて、何を考えているか解らない虚無感のようなものも感じさせる。この希有な子役の一番美しい時をフィルムに残してくれただけでもサウラ監督に感謝したい。

時間軸が取り払われている事を予め承知していれば、それ程混乱はしない。だがこの映画は「死」をテーマにしているのは解るが、タイトルのカラスは一羽として出てこないので、あっけにとられる人もいると思う。自分自身、カラス=死・不吉というイメージしかないが、「カラスを飼育すれば、目をえぐられる。」というスペインの諺を元にしており、「カラスを飼育しても、なつく事はなく、とんでもない仕返しをされる。」という意味があるという。これが監督のネーミングの意図らしい。よい映画のタイトルは自分なりの解釈もいいが、監督の真意は是が非でも知りたいものである。

(評価:★4)

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