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[コメント] 小間使の日記(1963/仏=伊)

ジャンヌ・モローの可愛らしく美しい姿に圧倒されました。
chokobo

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







とにかくジャンヌ・モローが美しい。それだけでこの映画を観る価値がありますね。そして彼女を囲い込む環境の変化と彼女自身の正義に対する考えが、映画全体を包むのですが、淡々と過ごす彼女の姿勢が実に美しく、それをこの映画でかなり強調しているような気がします。

ルイス・ブニュエルというとシュールレアリズムの印象が強く、この作品は晩年にフランスに招かれて作った作品であることもあって、ストーリーのやや複雑な面を除けばブニュエルらしさは影をひそめ、本当に主人公の女性をきれいに撮ろうとする姿勢だけが印象づけられています。

同時にジャンヌ・モローがその期待に応えて実に素晴らしい演技をしていますね。圧倒的です。ブニュエル自身の存在だけで映画が作られていることが伝わるすごい映画だと思うんです。

カメラがほんの少しだけ寄る(クローズ)する画面がとても印象的です。それは場面のほんの小さな心情の変化や、人物の決意などが表現されているように思えます。

シュールレアリズム作家としてのブニュエルではなく、巨匠の存在感だけで映画を成立させる晩年のパワーが伝わる映画だったと思いますね。

2009/8/11

(評価:★4)

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