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[コメント] ハサミ男(2004/日)

言いたくないが、原作との間に絶対的な境界線を引いてしまいたい。映像を利用したトリックは面白いが、結局のところ最後でダレた。また演出などのセンスは乏しく、アフレコを多様する手法もチグハグな印象。麻生久美子は辛うじて魅せるが…
ナッシュ13

**ネタバレ注意**
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つまり、豊川悦司演じる安永(父親)の正体が暴かれる中盤から失速しているということ。煙草の煮汁で自殺を図るシーン。嘔吐する知夏の横で、安永の口から煮汁が滴り落ちる。勘の良い人は彼が知夏の妄想(二重)人格だと確信し、そうでない人も一定の疑念を抱くはず。その後、堀之内と対峙するシーンはまずまず見応えがあるものの、取って付けたような知夏の父親への思い(過去の真相)が提示されると一気にダレてしまった。原作に言及するつもりはないが、これらのエピソードはほぼオリジナルである。知夏が殺害された少女達への感情を露にしたり、父親と決別しようとしたり…。あまりにも背景が薄弱で、そんなことで殺害される少女達は一体何なのか。とも思えてしまう。

叙述トリックを、このような形に変換して映像化したという意味では、チャレンジャーな作品だと思うが、無駄な脚色を加えたり大胆なトリックよりも他に重点を置いてしまった。その為に、あの読後感の衝撃は全く得ることが出来なかった…。

悔しい悔しい…。

ああ、チャレンジャーといえばゲロまみれの麻生久美子も同様。ゲロをアフレコした根性も買う。清楚な印象の彼女にしては大胆で、この配役自体が新境地だったのかもしれない。

(評価:★2)

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