冒頭でまずやられた。 この作品は、まずちゃんと笑うべきで、ぎっしりと詰め込まれた色んなネタを堪能しつつも、そこで繰り広げられる状況すべてが真実に基づいていて、多くの隠喩に満ちていることを知るべきなのだろう。

それにしても、この作品には多くの動物が出てきて、食卓に飛び込むわ、人も殺す。その一方で凍える人にぬくもりを与え、またなごませる。それら生きとし生けるものをまざまざと見せ、そんな中、失恋による絶望から自殺を選んだ（笑）「聖なるロバ」が最後にあの奇跡を起こす。

何も見えない真っ暗なトンネル。いつかは抜けると信じるしかない。それでもそこに踏み入れるのは不安なものだ。そしてその先には奇跡が待っていた。最高です。