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[コメント] クライシス・オブ・アメリカ(2004/米)

DVDパッケージの説明文で、すべてが表現しきれてしまっているのが悲しい。展開が、すべて予定調和で終わってしまう。"衝撃"や"スリル"が物足りなすぎる。メリルのヒラリー・クリントンやマーサ・スチュワートに通じる名声に溺れる傲慢な役の演技が存在感を醸す。
TOBBY

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

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デンゼルは軍服が似合い、この手の役柄はベストフィット。メリルデンゼルらスターのオーラを放つオスカー俳優らと並ぶと、キーパーソン演じるシュレイバーに存在感が無さ過ぎて悔やまれる。ストーリーのマイクロチップが埋め込まれていたというSFテイストは百歩譲るにしても、なんか夢のシーン(現実なのだが)の映像がチープ。名前を呼ばれて覚醒した瞬間のライティングの効果とか自主映画レベル。息子を溺愛するメリルが息子の周囲を陰謀で張り巡らすのは解るが、息子本人まで手術を施すという心理も共鳴できず、ストーリー展開重視の強引さと心理描写に手を抜く感じが残念。登場人物たちのカラーも主要キャスト以外の立場が曖昧で、ロージー(エリス)の描き方など苛々した。なぜ、暗殺未遂の予定の催眠術をかけられていたのに無視してデンゼルが、シュライバーを撃てたのかも疑問。催眠による指令とは言えど、シュライバーが、自ら絶体絶命の秘密を握るライバル議員(ヴォイト)に直接、手を下すのもリスクが大きすぎてリアリティを欠き、サスペンスとしての粗が目立った。

しかしテーマが政治+洗脳という部分と、メリルデンゼルの名演が凡庸な脚本の割には緊張感を保ち、ラストまで観せてはくれた。やはり、親子そろって凶弾に倒れるシーンは胸を打つ。オープニングのコラージュ的なBGMの構成は映像に噛み合ず、センスが無さすぎて仰天した。

(評価:★3)

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