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[コメント] グリース(1978/米)

これは今現在見直しても良く出来たミュージカルだ。公開当時『サウンド・オブ・ミュージック』が持つミュージカル・ジャンルでの興収一位記録を塗り替える大ヒットとなったことも頷ける。
ゑぎ

 まずは、いきなり主演者2人−ジョン・トラヴォルタオリビア・ニュートン・ジョンの浜辺でのラブシーンで始まる(しかも『慕情』のテーマ曲がバックに流れる)、という斬新なオープニングからして驚かされる。ミュージカルの構成としても、序盤すぐの「サマー・ナイツ」の場面−グランド(運動場)にあるスタンドの男子と、校舎横ベンチの女子とをクロスカッティングで繋いだミュージカル・ナンバーが、シネスコの活きる画面造型で良く、後半になって、ダンスコンテストと終盤の卒業カーニバルという2つの大掛かりなモブのダンスシーン(というかシーケンス)があるのも見応えがある(卒業カーニバルの陽光の中での屋外群舞は『パジャマゲーム』のそれを想起させる)。さらに、この2つのミュージカルとしての見せ場の間に「サンダーロード」と呼ばれるロサンゼルス川のコンクリートの川底(『ターミネーター2』でも出てきた場所)でのカー・レース場面がはさまっている、というのも満足感がある。

 また、『カンバセーション…盗聴…』『JAWS/ジョーズ』『カッコーの巣の上で』といった代表作を持つビル・バトラーの仕事としても絶頂期と云えるだろう。例えば、ヒロインのサンディ−オリヴィア・ニュートン=ジョンが、夜、外に出て歌唱する甘美なソロ・ナンバー「ホープレスリー・ディヴォーテッド・トゥ・ユー(愛すれど悲し)」の場面で、彼女にゆらゆらする謎の照明があたっていてキャッチするのだが、ポン引きのように引くと、小さなビニールプールの水面が反映していたと分かる処理。これには唸らされた。

 キャストについても、50年代から活躍するベテランのタレントたちと高校生役の当時の若手俳優たち(リッゾ役のストッカード・チャニングは30代半ば、ニュートン=ジョンも30手前だけど)を上手く融合させて見せているのもいい。大御所の演者には、校長のイヴ・アーデン、体育コーチ−シド・シーザー、ダイナーのウェイトレスがなんとジョーン・ブロンデル、そしてこのダイナーでサンディの友人・フレンチ―−ディディ・コーンがうっとりした表情で幻想を見るのがフランキー・アヴァロンの歌唱場面(「美容学校ドロップアウト」というふざけた歌を唄う)。あるいは、主演者2人−ニュートン=ジョンとトラヴォルタの仲間の(仲のいい)高校生たちが、丁寧に描き分けられていて、それぞれ適度にキャラが立っているのも良い点だろう。

(評価:★4)

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