[コメント] コンスタンティン(2005/米)
映画を見終った人むけのレビューです。
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一番の問題点は世界中でいまどき「地獄」と「天国」が存在すると思っている人が(多分殆ど)いないことにある。地獄があると信じているからこそ、悪いことしてタバコで早々と地獄に行きたくない!→良い事をして禁煙して長生きしてから天国に行こう!と思うわけだよ。
昔、宗教が熱狂的に支持されていたのは皆信じてたからなんだね、天国と地獄を。そして当たり前だけど皆天国に行きたがった。これで犯罪激減。いつでも神は見ているわけだよ(今は防犯カメラと警察が神の代わり)。
そこから考えるとこの映画は200年遅すぎた傑作と言える。200年前だったらセンセーショナルでしょう間違いなく。「子供に見せるな」なんてプラカード持ってデモがあっただろう。そして喫煙も激減、当時の成人男性の寿命が15年程度延びたかもしれん。人の寿命を延ばす映画・・・まさにバイブル以上の効果があった可能性があるわけだ(バイブルや昔話には多分にこういう社会モラルの意図があるわけで)。
で、現代での『コンスタンティン』は悲劇である。明らかに作り物。誰がどう見たってCGというのを前提に楽しむ単なる見世物。そのぬるい前提を踏まえているからこそ地獄を見てもショックでちびらないしあのガブリエル様が地獄の連中とつるんでいても十字切ってシスターが失神したりしないのよ。火星から宇宙人が来襲する企画で人々が恐怖のどん底に叩き込まれてパニックを起こした時代もあったが、それが可能なのは火星に関して未知の可能性があったからだ。
こう考えてくるとどれだけ神とサタンが壮絶な存在をアピールしようとどこまでいっても虚しい現代。むしろこんなお花畑の話ではなくて地獄や天国を現実世界の団体にしたとしたら案外出来が良かった事実に気が付いた。結局映画といえども「作り話だけどあるかもしれない怖い話」でなくては成り立たないのだ。いや、成り立つけど「まあこんなもんだろ3点」になっちまうって事だ。
いや全く持って惜しい。200年前の大論争作品(5点と1点に真っ二つで何々派なんて出来るだろう)に3点「キアヌって何やってもキアヌってすげー」だもん、俺の感想
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