[コメント] ミリオンダラー・ベイビー(2004/米)
映画を見終った人むけのレビューです。
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まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
ミリオンダラー・ベイビー
書きなぐり。
胸が痛い。言葉にすると陳腐な台詞だけど。 胸がキュッと痛くて。でもまだ思考しつつ、斜めに見てる自分がいて。 だんだん胸にかかる圧力が大きくなって。思考がもやにおおわれて。 辛いような悲しいような、でもどこか気持ちいいような気もするこの感覚。 感情に飲まれ切らないように、必死に冷静に鑑賞しようとしながら。 ふとした瞬間、必死に張ってた目が涙を支えきれなくなって、こぼれてしまう。
こういう、日常では滅多に感じることのない感覚を、簡単に味わわせられる。映画ってすごいなと、改めてその力を思う。自分にとって、映画の魅力の一つ。
この感覚は、終盤の悲劇的な状況でよりも、中盤の盛り上がりから、一転するシーンの辺りで、特に強く感じられた。特別そういうシーンでもない時ですら、マギーを見ていると、どういうわけか。
彼女の台詞や行動が匂わす不幸と彼女自身との対比、悲劇の予感、彼らの距離感。そういったものから、自分の知識や経験をもとに推測し、連想し、感覚的に理解しようと努めているのだと思うのだけど。情報処理の速度についていけず、把握できず、ただ自分の感情の動きだけが感じ取れる。
表面的な思考は、ストーリーについて、これをどう見るか、この行動の意味は?…等々。考えていることが把握できるのだけど。それとは別に、遠くで何か別のことを考えていることが感じ取れる。が、何を考え、どう感じて、この感覚?感情?を湧き起こらせるのかが、わからない。
映画を見ていると、時々こういう感覚に出逢う。そういう映画に遇うと、悩む。必ずしも好みの映画、好きなタイプの映画だとは限らない。なのだが、感情を揺さぶられ、思考してしまう。自分の中で、いったいこういう映画はどういう位置づけに、評価になるのか。それすらわからない。
だからこそ、こういったサイトで様々な人の意見を読み、ひとうひとつ自分の感覚に当てはめ、理解に近づこうとする、後付作業が必要になってくる。ここで、しっかりと自分の見方や意見を伝えている方々。すごいと思うとともに、うらやましい。映画を見て、何か感じたことがあっても。それが上手く言葉に紡ぎ出せず、コメント一つ残せないことが多々ある自分にとっては、人種が違うに違いない!と思えることもある。
こういう風に、その映画によって引き起こされた感情をつらつら書き殴るより、きちんとその映画に対してのコメントが出来るようになってみたい…
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