[コメント] 交渉人 真下正義(2005/日)
映画を見終った人むけのレビューです。
これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
『踊る大捜査線 THE MOVIE 2 レインボーブリッジを封鎖せよ!』で安易な金儲けを批判しましたが、結局ここでの評判が気になりスカパーに1000円払ってしまいました。フジサンケイグループの思う壺です、はい。
映画の出来としてはまぁまぁ。過去にも『交渉人』とか『ネゴシエーター』とか交渉人を題材にした作品はあったけど、意外に地味な仕事なのでそれ程おもしろくならない。おもしろいと思われるポイントが少ないので、同じシチュエーション(わざと電話を切って、相手にかけ直させて、こっちのペースに引き込むとか。)が多い。この映画もそう、ロクに交渉はしていない。古畑任三郎と犯人との駆け引きの方が全然おもしろい。アレは交渉じゃないけど、そんな感じでデフォルメしないと交渉人は映画に出来ないと思う。
結局犯人が誰だかわからないは過去にもあったパターンだから「アリ」だと思うけど、死んだ人の声紋と同じって前フリをしたのだから種明かしをするべきだと思う。風呂敷を広げるだけ広げて、結局何も明かされないアメリカのTVドラマみないなマネはしないでいい。
このスタッフは実にいろんな映画・ドラマを見ていて、人々がおもしろいと感じる部分を抽出されるのがうまい。このシリーズの有名なセリフ「事件は会議室で起きているんじゃない、現場で起こっているんだ」も亀山氏が飛行機の機内上映で見た『ピースメーカー』からいただいたもの。主人公が部下に「事件はワシントンには無い、この現実の世界で起きてるんだ」って言って現場に出動するんだけど、この何気ないセリフをあそこまで加工して有名にするのだから凄い。他にも引用は多々見られる。俗に言われる元ネタ=パトレイバーも事実だと思う。ただ、わたしはこういうパクリはアリだと思う。誰もが知っている映画をそのままパクるのは芸がないが、知られていない「おもしろいもの」をわかりやすく加工して紹介するのはいいのではないかと。「パトレイバーは有名じゃん!」と言う人もいるかと思うけど、このソリーズの鑑賞者では見ている割合は少ないと思うし、今後見る可能性も少ないと思う。そんな人達に「わき線」の事を教えるのは押井氏だけの専売特許ではないのではと。
真の主人公、織田裕二も触覚が鋭く、物事を実現させる大きな力を持っている。「池袋ウエストゲートパーク」を見て一部で有名だったクドカンに脚本を依頼してドラマを作ったり(「ロケットボーイ」)、日本での映画化は無理と言われていた『ホワイトアウト』を読んで映画化を実現させてしまう行動力。NGではないと思われるカットを独断で撮り直しさせたり、今回の出演拒否と彼への批判も多いけど、それなりの結果を残している。御三家と言われた加勢大周や吉田栄作は昼ドラ&サスペンス舞台に出兵していると言うのに。
連ドラの頃から見ていたけど、試行錯誤を凄く感じるドラマだった。深津絵里をキャスティングしたのも最悪恋愛ドラマ主体に変更出来る保険だったとか。でも、最終回の頃は最初とは別のドラマになってた。(笑) それぞれのキャラを立たせ、犯人役に保坂尚輝。(当時有名な役者が犯人をやるのは希。) この映画の主人公真下が刺されて、彼が作っていたホームページに励ましの書き込みが書かれるんだけど、それが非公式に実際あったりした!
人間、楽な方法を発見してしまうとそちらに行ってしまうのはわかる。でも、この映画のスタッフ達はおもしろい映画を作れる力を持っている。ぜひ、真の主人公を迎え入れ、次の機会には真の力を見せて欲しいと切実に願う。
(評価:)
投票
| このコメントを気に入った人達 (1 人) |
コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。