喰い散らかしたサブテーマは多種多様であった。

１．　悲劇をもたらした原因である少女と、その結果によって被害者になってしまった義理パパ（吉岡秀隆）との相克。同じく少女に対するバツイチ女（石田ゆり子）の慙愧の念。

ともに少女を守ったが故の事故である。その代償と少女の価値の対比。人として恥ずべき行為と知りつつ、心の奥底に潜むダークサイドを吐露する大人ふたり。

２．　12年ぶりとはいえ、あまりにも積極果敢にアタックするバツイチ女の謎と、元亭主との引き裂かれた愛憎。特に元亭主とのくだりは本当に必要なシーケンスだったのかどうか？

３．　障害児を抱える義理パパの苦悩。特に心配なのは近親相姦もどきへ発展しかねない危うい今後の関係だ。

何だか無理やりコンパクトにまとめた感のある脚本だったが、描くべきところはもっと深く、そして不必要なところはザクっとカットして脚本に深みを与えて欲しかったです。