[コメント] スター・ウォーズ エピソード3 シスの復讐(2005/米)
「ファンタジーは殺戮の臭気と色彩に汚された。」汚された・・・?
私の場合、ようやくルーカスの暗黒面が可視化したので喜ばしいことだと思っている。
なぜって明らかにスクリーン上でヒトを斬りまくりたいルーカスの(ドロイドやクローンならいいのか?)、「戦争」でありながら「流血なしの夢物語冒険ファンタジー」を取り繕う偽善的な映画作りの方がよっぽどダークである。シスも隠匿の達人だったわけですから、より深くダークサイドに堕ちていたのは狡猾な隠蔽力が冴える旧作だったとみる。血が出ない小道具とか、斬っても血が出ない対象とかね。甘んじて騙されないと駄目な映画であることはわかってますよ。実際旧作だって深いこと考えないで見れば当然面白いことは面白いのである(EP1,2を除いて。あれは問題外)。深いこと考えなければね。しかし、ずっとルーカスの偽善が鼻について仕方がなかった私には、このディストラクティヴな、初めてルーカスの殺気を(わずかでも)感じた一篇は魅力的に感じられた。
闇の理解なしに光の理解はあり得ないし、その逆もまた然り。当然実生活でダークサイド全開であってはならない。それは子どもでも分かることだ。だが本当の映画は闇と光のその理解の先にあるせめぎあいとアクションだと思う。人の生活もそのせめぎあいの果ての光の中にあるべきなのである。
完全に闇に堕ちたら、本当の光もその時にまた見えよう。EP6のベイダー卿のように。
よちよち歩きながら、また本当に舌足らずで稚拙だが、ようやく作家になろうとつかまり立ちするルーカスの悲壮な決意(の片鱗)に★をプラス。本当に面白いのはこれから、であってほしい。無理かな・・・?
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