[コメント] 宇宙戦争(2005/米)
宇宙人の登場シーンは、どの映画でもそうだがゾクゾクする。どうやって来るんだろうか、どんな姿・形をしているんだろうか、どれだけの破壊っぷりを見せてくれるんだろうか、そして最大の魅力は、その宇宙人に対して見せる地球人のリアクションである。
レイと子供達の描写が映画を最高に面白くする。レイが子供達に事情も説明しないまま、車に強引に乗り込もうとする。娘がパニックでギャーとわめき出す。レイは「わめくな!」と怒鳴りつける、すると今までクソガキぶりを発揮していたお兄さんが妹を落ち着かせる。やはり兄弟、一番相手を知っている。それにひきかえレイの短気っぷりと来たら…汚れた手でジャムを塗り付け子供達に「さぁ食え!」食える訳ない、オレだって食わねぇよ。怒ってパン投げちゃうし、まったく勝手な親父だぜ(子供の視点)。
親は親で大変だ、やんちゃな2人を多少強引ながらも引き連れて行かないといけない。時には子供達の前でやってはいけない事もやってしまう。車で移動中、群衆にまみれ、強引に突破しようと人を跳ねてしまう。泣き叫ぶ娘、どうしていいのか分からない兄、群衆に囲まれレイは必死に車を守ろうとする、銃を使ってでも。
結局奪われ、子供達はなんとか守ったもののレストランらしき所で愕然とするレイ、その表情はまるで現代の「自転車泥棒」のシーンみたいだ。泣ける…いくら世紀末とはいえ、こんな争い事を子供達の前でそんな所は見せたくは無かっただろう。
ボストンへ向かう途中、何度か軍隊に出会い兄が「オレも戦わせてくれ!」とレイを困らせるシーンがある。僕はガキがなにいってるんだ?父親を困らせるな!と思っていた。しかし、倒的な強さを見せる宇宙人に対しても、組織として成り立ち自分の死を顧みず戦い続けるアメリカ軍。その姿は無謀ながらも「頑張って奴らを少しでも倒してくれ!」と思った。僕も視点は少年と一緒なのか、世紀末の最中オレの思考がズレてきたのか、巨大な力に立ち向かう軍隊がやけに頼もしく、そして一番まともに見えた。
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